第20回記念 大田区在住作家美術展

地元のアーティストたちの展覧会。こうやっていろんな人たちの作品を見ていると自分は何を描きたいのかまた悩み始める。そしてどうやって表現したいのか。モチーフ探しは容易じゃない・・・

中でも気になったのは弦田英太郎氏の「口紅をさす舞妓」。弦田氏は30年以上に渡って京舞妓を描き続けている画家。どうも日本の風景を油絵で描いたものに違和感を感じていた。油の光沢というかコッテリ感が日本の風土に合わない気がしていたから。日本だって高温多湿ですがすがしい訳じゃないのだが。でもこの弦田氏の舞妓像は存在感を見せつけてくれる。紅をさす手と身体の間の空間。手の表現にエッジをハッキリ縁取りしてるのが空間をよりいっそう引き立てているように見える。そもそも絵画は3次元を2次元に転換しまた3次元として表現するイリュージョン。そこには立体的に見えると言うより「其処に居る」という雰囲気を醸し出すことでただ綺麗な絵以上の感動を得るのだろう。まさに今日のわたしの感動は其処にある。
「挨拶する舞妓」 194.0×130.3cm 油彩 1994年
今回の展示作ではないが楽しそうな舞妓の日常が切り取られて目の前で展開されているような気分に駆られる・・・