質問というより内容の確認・・・

前回の不甲斐ない発表から一週間、今日の発表はドクターコースの学生さん。さすが上手くまとめており、今回のテーマに近い以前に書いた論文も参考にと手渡された。
予習で読んでいても理解できない。日本語なのに相変わらず理解できない。授業で解説を聞きながら読んでいくと何となく解ってくる。だから質問と言うより自分の解釈はこんなんですがいかがでしょ?という感じ。
今日のパートはヘーゲルのカント批判部分。

意志の純粋な無条件的な自己規定が義務の根元であることをきわ立たせるのは、ひじょうに本質的なことであり、じっさいまた意志の認識はカント哲学によってはじめてその確固たる根拠と出発点を、彼の無限な自律の思想をとおして獲得した。

と、ここまではカントを評価している。でも次の文から批判が始まる。

けれどもカントは、(客観的)倫理の概念へ移行しないところの、たんに(主観的)道徳的な立場を固持するので、そのためにこの獲得を一つの空虚な形式主義におとしめ、道徳の学を義務のための義務についてのお説教におとしめることもまた、はなはだしいのである。
(「法の哲学」中公クラシックス

と、まぁカントは主観中心の考え方で個人主義的、ヘーゲルはそれじゃダメで客観的な共同体においての全体主義的な(というと言い過ぎかも知れないが)道徳観といったところか。先日も別の教授からヘーゲルを理解するコツは他者から自分を考えることと教えられた。なるほど今日の話はまさに客観から主観に至る捉え方で理解が進む。でもテレビ番組制作の職業病か大枠でこんな感じといった捉え方をしてしまう。厳密に言えばちょっと違っても。
なんか謎解き・・・