加藤周一講演会

評論家であり作家であり医学博士、そんな加藤周一氏の講演会を聞いてきた。テーマは「日本文化再訪―多文化主義について」。会場は100人以上入れるホールがほぼ満席。
1919年生まれということは今年89歳、語り口は溌剌としていた。文化論について多文化主義と宗教など絶対主義の違いから話は進み、多文化である日本のオリジナルをいかに抽出するかという話。最後は中国のシンメトリー主義と日本のアンシンメトリー主義について。その存在については肯定していたが、中国は広い大陸だからシンメトリーという考えには賛成できないという話。最後はちょっと時間をオーバー、お年だからか質疑はナシ。
最後の話だけ納得できたもののそれ以外は自分の理解不足もありちょっと物足りなさが残る内容。今回の話は先日上梓された「日本文化における時間と空間」を読んでいれば理解も深まったんだろう。
それにしても貴重な話を聞けたということで・・・