「MIES VAN DER ROHE」

ミースに対する印象は傲慢な建築家、鉄とガラスでユニバーサルスペースを作った建築家、などなど。最近、ミースの建築がキレイかも・・・と思い始めていた。
今日、amazonから「MIES VAN DER ROHE」のDVDが届いた。
構成は最初ミース設計のガソリンスタンドを町の住人の声とともに軽快なJAZZにのせて見せていく。建築を見せると言うより町に存在するスタンドの在りようを見せようとしている感じ。続いてミースの近くに居た人々や研究者たちのインタビューからミースを浮き上がらせているドキュメンタリー。怒濤のごとくインタビューが連なる。まぁみんなミース寄りの人たちだから悪く言う人は誰もいない。ミース賛美となるのも仕方ない。ただ、レム・コールハースの立ち位置が面白い。「私はミースのファンではない」と言いながらミースの建築に対するリスペクト。コールハースはミースの新国立ギャラリーを「街に対して謙虚」と言う。
ある建築家は「2001年宇宙の旅」になぞらえてミースのガラスのビルディングを空から降ってきたモノリスに喩え、当時の人はそれを理解できない猿だったと。あの映画では最後までモノリスはよくわからなかったが・・・
他にも合理的、省エネ、エコロジー、人と人の触れあいなどこれまでのミース観を覆す証言の数々。それまでのミースの風評に惑わされていた自分。皆、声を揃えてミースのビルは他のビルと全く違うと言う。シーグラムビルの何が美しいのか。これもやはり又聞きに過ぎないが直に接した人の言葉なだけに風評とは一線を画すとも言える。やはり本物を見ないと何とも言えない・・・

ミース・ファン・デル・ローエ [DVD]

ミース・ファン・デル・ローエ [DVD]