谷口吉生 建築を語る:高松宮殿下記念世界文化賞講演

yso-muko2005-11-25

toraさんから誘いをいただき谷口吉生氏の講演会へ。講演嫌いの谷口氏だそうでこのような話が聞ける場は滅多にないらしい。貴重な時間。
谷口吉生氏の建築については「壁」がとても象徴的で空間を分けている印象が強かった。今回の話では特に「動線」と「光」を意識して設計を行っているという話でこれまで受けた「壁」の意味が理解できた気がする。動線を生み出すことによって空間をつくる。当たり前だがそこに意外性をつくり出すのが谷口建築の醍醐味。
話はMoMAの増改築をベースに行われた。広いAVENUEではなく狭いSTREETに面したMoMAファサードに凝ったデザインをする必要はなく、というのも凝ったところで見ることが出来ないので美術品を見る空間としていかに内部空間をつくるか、動線や光をいかにつくるかに設計の重きをおいたという話。ご自身で自分の建築の形はつまらないと言い切るのは内部空間のおける自信の裏返しのようだった。
そして動線を考えるということはそこにいる人を考えるということ。その空間に居る人を大切にする設計。
今回の話はとても良い刺激に。