シュレーダー邸

近代建築史を学んだ時、建築家とはなぜにこれほど傲慢なのかと思った。未だにその思いを引きずっている。
しかし、卒業制作で悩み続けた時、手探りの中から創り出したスタディー模型はシュレーダー邸のような建築だった。自分としてはかなり影響を受けていたのだろう。
昨日、TBSの世界遺産で「リートフェルトシュレーダー邸」を放送していた。
今ではとても好きな建築だ。面と線の構成が美しい。その上で人の気配を感じられるような建築だと思っている。まだ実物は見ていないが。
放送ではリートフェルトのバイオグラフィと建築を絡めて紹介していた。どうしても番組としてはあのような作りになってしまうのだろう。同じ仕事をするものとして理解できる。
建物は紹介しているが、空間を撮影できていないのではないか。空間とは何か。その場にいない者がどうやって認知するのか。その空間の感動はどうやって伝えられるのか。どんな映像表現があり得るのか。考えることは多い。