荒川修作・課外授業ようこそ先輩

  • 「建築家」とは資格ではない。「建築士」は資格を持たねば名乗ることは出来ないが「建築家」は勝手に名乗ることが出来る。いわゆる「自称」というやつ。勝手に名乗って後は世間が認めるか否か。
  • 今日、ビデオに録っておいてNHKの「課外授業・ようこそ先輩」を見た。今回は「建築家」の荒川修作。もともと画家で、その後建築の世界に入ってきた人である。
  • これまでに建てられた建築物は身体的に刺激を与え続ける建築とでも言うのか、変わったものが多い。岐阜にある公園は平らな部分が無い。彼はこのように身体に刺激を与え続けることが必要で、建築で楽をさせてはいけないと叫ぶ。そういえば安藤忠雄も「住吉の長屋」で自然に対するあり方として同じようなことを言っていたのを思い出す。
  • いつも子供の自由な発想には驚かされるものがあるのだが、今回はちょっと荒川に引きずられすぎた感がある。何か変わったことをしなくてはというのが見えるのだ。
  • 以前、卒制のスクーリングで荒川修作の建築について教授から「彼の建築は画家が絵を描いている延長で空間を創っていない」と聞いたことを思い出す。その時は空間を創るとは何かを悩んだ記憶がある。今回の番組を見て教授の言わんとしていたことが何となく判ったような気がした。

荒川修作の空間は身体的に動きを与えるような仕掛けが多いのだが、どうも仕掛けは立体でも全体的に平面的な印象を持ってしまう。何故だろう。実際に私はその空間を体験したわけでなく、テレビから発信される映像での印象なのだが。もしかすると荒川建築の良さを映像が描き切れていないのかも知れない。後は実際に見てどう感じるかだ。